Archive for the '編集関連' Category
ファイルのコピーを早くしよう
ワタシの仕事の中に、撮影素材の取り込み(キャプチャー)と、編集完了後のデータのバックアップ、というものがあります。
ウチの会社では、映像編集に、metaSANを使用して、大量のデータを扱いやすくしている、のと、
バックアップに、Pro-cacheを使用して、大量のデータバックアップをまかなっています。
metaSANは、それぞれのクライアントPCがFCケーブルで直接繋がっていて、
Pro-cacheは、会社のネットワークに、1000BaseTでぶらさがっています。
表題のファイルコピーを早くしよう。というのは、
撮影素材の取り込みは、metaSAN内にダイレクトに放り込んでいくと、断片化しまくりで恐ろしいので、
一度自分のPCのローカルHDDに入れてから、metaSANにコピーしています。
※SANって、そもそも、バラバラにデータ書き込んであるんじゃないの?という部分もあるけれど、そこはまあ、それ。
Pro-cacheについては、1000Baseと言っても、FCが出せる速度には、遠く及ばないため、
足を引っ張るのを避けるため、一度外付けのe-SATAにコピーしてから、バックアップを行います。
他にも大量のファイルコピーはあるのだけれど、デカイのは、この二つ。
一つ何かでファイルコピーをしていると、それ以外のコピーが別ドライブでも遅くなってしまったりするのです。
Windowsってのは、こういう所がよー、ブツブツ…。
兎にも角にも、時間がかかるし、他の足も引っ張るわで大変なので、ファイルコピーを早く終わらせられるように、改良しよう、と思ったのです。
実際問題、様々な都合で、早く出来そうなのは、撮影素材のファイルコピーだけなんだけれど、
少々、説明をさせていただきますと。
metaSANのディスク転送速度は、全ての端末で、550MB/Sほど出ている。
取り込みに使っているHDDは、内蔵のSATAで、いいところ90MB/S。
これが実際、どうなるのかというと、例えば、1.3TB位のデータをコピーすると、片方が遅いので、4時間とか、4時間半とか必要な訳です。
この間、アオリを喰って色んな事が遅くなるのです。
もともと、ワタシはRAIDというのは憧れこそあれ、なんだかオッカナイいものとしか見ていないので、あまり使う気にならなかったのだけど、
もう、ファイルのコピーがしんどくてしょうもないのと、撮影素材を、ローカルHDDで編集するわけではないので、内臓にバラバラに置いてあるHDDを、3発位ストライプしちまえば、お互い早いんだから、結構早くなんじゃね?と、今回の作戦に臨んだのでした。
ワタシのメインマシンのマザーはP6TWSで、当時、CanopusのVELXUS500が、PCI-Xでの接続だったのでこれにしたのだが、VELXUS500を使わなくなった今、「やっぱ、PCI-Eのマザーが良かった」
なんて思う訳だが、後の祭りである。
RAIDカードを増設しようにも、スロットが空いていないので、マザーのSATAで、RAIDを構築する。
一時的に置ければいいので、RAID0であります。速度重視。
中に入っていた、1TBを、3発RAID0にして、データのコピーをしてみると…。
コピー開始から、一時間位経過した時の図。
いいぞー。シングルだと、一時間も経過したら、90MB/s割っている頃です。
ディスクの速度を計測してみると。
悪くないですね!!
ワタシのファイルコピーの憂鬱は、ある程度、軽減されましたとさ。
別件で、EDIUS6で、AVCHDを5カメ重ねた場合って、どうなるのだろうか。というのをやってみた所、
シングルの内蔵HDDでは、画は落ちないのだけれど、音の途切れが発生しました。
今回の、3発ストライプでは、画も音も途切れませんでした。
しかし、AVCHDニュルニュル再生は、道半ばであると、言わざるをえません。
2 commentsDSR-1800メンテ
会社のDSR-1800をオーバーホールに出してきました。
ウチのはSDIオプション付きなので、過去素材のバックアップに、まだ活躍してもらわなければならぬ。
この1800、ワタシが入社した時に、会社にはDSR-40とUVW-1600の二台しかなかったのだけど、
副社長が奮発して買ってくれたものでした。
しかしその当時、目クソ程度にしか映像の知識の無かったワタシには(要するに初心者) 、かなりオーバーな代物で、
使い始めたばかりのFCPでの運用に、相当に四苦八苦したもんでございました。
後からSDIを追加して、何とか思ったように動くようになり、その後はDVDのエンコード用デッキとなっていたのですが、
DVDのオーサリングも全て業者お任せになり、DSR-1800は日向ぼっこが日課の爺ちゃんのようになっていたのでした。
しかし、またしても時代はヒーローを求め、DSR-1800は一線に復帰をぶちかますのであります。
ところで、あまり需要のない話と思うけれど、すでにDVCAMの二桁番台のデッキは、メンテナンスの受付が終了しているのは、 賢明なる諸兄には周知の通り。
そして、来年の三月には四桁番台のデッキも終了するかもよ。という情報があります。
参考まで。
2 commentsNXCAMのMPEG2PSファイルをEDIUSで再生した場合のパフォーマンス
先週、土曜の夜中までかかって、会社のmetaSANの容量を拡張しました。
25TB→40TB程まで拡大したので、バックアップまでの時間は、大分楽になったのであります。
それに合わせて、metaSANのソフトウェアもアップデートしました。
metaSANを開発している、TigerTechnology によると、最近ではWindowsでのパフォーマンスアップに注力しているそうです。
と言うのも、FCPの迷走がゴニョゴニュ….。
ウチの会社では、NXCAMで撮影したMPEGのファイルを、EDIUSで編集をしているのですが、早送りはまあ普通ですが、倍速以上の巻き戻しが、あまり滑らかではありません。
これはローカルのHDDでも、metaSANに撮影素材を置いた場合でもほぼ同じです。
DVCAM素材であれば、転送量の軽さとフレーム内圧縮も相まって、非常に滑らかに再生出来ます。
枯れた規格ですしな。
NXCAMのMPEG2PSファイルは9Mbps。対して、DVCAMデータは、3.5MB/sなので、MPEG2PSの方が転送は少ない訳ですが、
metaSANに接続する各PCで、500MB/sオーバーの帯域を割り振っているにも関わらず、滑らかに巻き戻しが出来ないのは、何だかんだ言っても、デコードしながら、というのが負荷としてキツイんだろうと思っていました。
ところが、今回のmetaSANソフトウェアのアップデートで、倍速以上の巻き戻しでも、かなり滑らかに再生出来るようになったのです。
というか、そこらへんは全く期待していなかったのですが、相当に軽くなりました。
内心、幾ら帯域を稼ごうが、CPUの進化とEDIUSの最適化以外に道はあるめえ。とか思っていたわけですが、編集ソフトと、HDDのやり取りを見直す事で、なかなかのパフォーマンスアップが出来たのです。
私は何もしていませんがね。
さすがに、AVCHDはカクカクしてしまうけれど、「その内、滑らかに再生出来る日が来るよ」と、ナメた考えに拍車をかけたのでありました。
No commentsHDV
NXCAMの新型が発売されて数日、
ふと、SONYのHDVのページを見てみたら、幾つかの機種が販売終了になっていた。
NXCAMの採用を会社にプッシュした身としては、「HDVを押さなくて良かったー」などと胸をなで下ろしています。
今後あっという間に、HDV規格が消えていく訳では無いにしろ、自社で完結するコンテンツを作っているので、方向転換などがあっても、容易には行かない。
故に、NXCAMで良かった。
カメラの移行に関して、「HDVが採用になった場合」というのも想定していたのだけど、
今にして思うと、HDVになっていたら、イロイロ厳しかっただろうと、少しゾッとする。
未だHDは、撮影素材として撮っているだけだし、自分が現役の内に会社が4Kを扱う事はないのだろうけど、
当面はNXCAMで蓄積しつつ、やっていけるといいなあ。なんて思っています。
No commentsこれ欲しい
ランサーリンク(株)から発売された、HDMIによる無線送受信機。
詳細はコチラ。
HXR-NX5Jでの撮影時に、メモリースティックにHD、フラッシュユニットにSDを収録していて、HDとSDが同時に録画出来るスグレものなのだけど、ちょっと考えるとお互いが違うフォーマットで回っているため、
バックアップとしては成していない事もあり、何時の日にか、事故が起きるんじゃないだろうか。と、戦々恐々とロケ隊を見送る毎日。
いっその事、両方でHD収録して、最後にダウンコンすればいいんじゃね?
イヤ駄目だ。編集も大変だし、フラッシュユニットも足りなくなるし。
現場で、SDIから直接PCに流し込むのは?
イヤイヤ、邪魔だって言われるのがオチだな。ケーブル踏んづけて、コネクタ壊す奴が居そうだし。
何とか、バックアップする方法は無いかなあ。
と思っていたら、これが出てきました。
これを現場に三台位と、PCを三台とか置いて、直接キャプチャーするように出来ぬだろうか。
kiPROでもいいのか。それだと高いなあ。
万が一のバックアップ用なので、TCは合ってなくてもいい訳だし、そもそもHDMIか。
使ってみたい!!
No commentsとんだ手違いで消してしまったメモリ-スティック PRODuoカードを復元してみよう
いや、もう。
とんでもないお題ですね。
次は何が起きるんでしょうか。
年末に一人で、あれやこれやと奮戦していたのですが、凄まじいケアレスミスから、”キャプチャー中”のメモリ-スティック PRODuoカードをフォーマットしてしまうという、最早、腹をかっさばく位では収まらない事態を引き起こしてしまいました。
よりによって、社長のロケの素材だよ。
「どうやって、キャプチャー中のカードをフォーマットするの?」
…あら、そういうのを、重箱の隅をつつく。と言うんですよ。
もう、正月ですしね。
マジかよ。何やっちゃってるんだよ俺。
昔、ブル中野がCMをしていた、「マジだぜ」というのを思い出す。あれは、たしかカップ麺だったっけ。
現実逃避。
何とかしなければ!!
ソニーで無償配布している、「Memory Card File Rescue」を使って復旧を試みる。
ベイビー、何も出てこないゼ。
うおー、どうしよう。
宇宙人が来て、持って行った事にできないだろうか。
NXCAMに挿してみる。
「このカードはフォーマットエラーです」 ですよねー。
….。
….。
….。
どうしよう。
….。
どっちにしても、この状態では何も引っ張り出せないから、再度フォーマットして、構造順序を直してみよう。
ワタシがもし、英雄と謳われるなら、間違いなくこの瞬間でしょう。
んで、もう一度、「Memory Card File Rescue」にかけてみる。
とにかく時間がかかる。何も出てこなかったら、ホントにどうしよう。
途中で社長がやって来て、「今から沖縄料理の店行くから、一緒に行こうよ」
「あああ、まだ仕事中なんで、俺は大丈夫です」
ふー、あぶねえ。本当の事が言えない俺。
待つ事約6時間、「出てきたー!!」
ウチの会社では、NXCAMを使用して、メモリ-スティックにHD、FMU-128にSDを収録しています。
早速、SD解像度のファイルと位置を合わせて、ファイルを作り直します。
ダブって取り出されているファイルや、ずいぶん前のファイルも出てきているのと、途中で分割されているものがあるので、結構時間がかかる。波形と見比べながら、大体の位置を合わせて、後は少しずつ調整。
何とか殆ど直りました。
一時間位の尺のファイルで、7個に分割されてしまっていて、分割されている箇所で2フレずつ欠けてしまっている。
内4箇所は、撮影中の指示等をしている場所だったのだけど、1箇所が本番中の画だ。
今度は、有償の「CardRecovery」を使って、拾えるものを全て取り出す。
殆どコマ切れ状態で、凄い数のファイルが出てきた。
この中から、分割箇所を跨いでいるファイルを探す。
テレビとかで見る、川で砂金を探すのって、こういう感じなのだろうか。
ラッキーな事に5ヵ所分全て見つかった。
あああ、助かった。
これを、後はTCを合わせて、CanopusHQで出力する。
出来たー。朝5時半。
また一つ、ワタシは強くなってしまったようですな。
良い子のみんなは、マネしないでね。
※多分、このカードも録画をしてしまっていたら、元の画の領域を喰ってしまって、アウトだったろうと思います。
No comments困ったぞ
今年のグループ会社全体の忘年会は、ニコファーレでやるそうな。
そこに、各社の映像を流すそうな。
ニコファーレは、360°全周スクリーンで、フルHDのサイズを6画面に分割して投影する。のだそうな。
で、それを私が作るのだそうな。
いや、ホントにガチで忙しいんですけど。
突然、その場所で開催する事だけ決まって、レギュレーションは後回し。
聞いてもハッキリ分からない。
しかも、そのバラしたHDの画は、16:9も4:3も存在しない。どうするんだ、これ?
小耳にはさんだのは、他の会社は、1画面だけ普通に使うとか何とか。
フツーの会場でUSTでいいじゃないのさ。
年末進行だというのに、オイオイ。
No commentsこれでいいのだろうか
ズルズルと、DVCAMからNXCAMに移行して、Cache-Aを使用したバックアップも本格化してきた。
まだ、発売時期の都合で、早めにNXCAMで始めた監督のものと、DVCAMの監督のものが混ざっている。
ゆくゆくは、テープの素材もLTOでバックアップしていくのだが、結局やるのは自分なので、少し前からLTOを使っている。
やはりバックアップは、時間がそれなりに必要だった。Cache-A自体は、1Gのイーサネットでネットワーク上にぶら下がっているのだけど、FC接続のmetaSANの足を引っ張るのは避けたいので、自分の端末からe-SATAの外付けHDDにコピー。
それを、Cache-Aのe-SATAに接続して、それからLTOテープに出力。
書き込み後のベリファイはやっているみたいなのだが、不安なので、今度は逆にキャプチャーする。
それを、UNIXコマンドからe-SATAのHDDとキャプチャーしたデータで、差分が出ていないかチェック。
これがエラく時間がかかる。
まだ何だか不安なので、全部の素材をEDIUSに読み込めるかチェック。
ここまで来たら、LTOを複製する。LTOは水没しても平気らしいのだけど、テープが平気なのも大事だけど、データが読めなければ意味無し。
これだけ時間をかけているのだけど、大丈夫か。という不安はどうにもつきまとう。
何か、気づいていない事があるんじゃないか。
ある時に突然発覚して、今までのが全部パーとか。
2 commentsバックアップ用のRAIDを組む
編集に使うmetaSANとは別に、単に素材を置いておくだけの場所を作るべ。
NXCAMで収録した場合、カードは次から次へと使い回していくので、オフライン編集が終わる前に消してしまう。
これは結構怖いぞ。
まず無いけれど、キャプチャー漏れがあった場合、「○○の画って、無かった?」なんて聞かれても、確認のしようが無いのです。
根本的な解決はまだ先になるけれど、当面の課題として、撮影データを多重化する事で、どれかがダメになっても、復旧できるようにしなければならぬ。
おお、万が一のキャプチャー漏れから、話が遠ざかっていく。
データ多重化として、arecaのARC-5040を導入しました。いつものオリオスペックさま。
これに3TBのタマを8個。
結局の所、何をやってもHDDが怖いのは変わらないので、RAID6で構成してみる。
これで、metaSANとarecaのRAIDで多重化できた。
しかし、不安は拭えない。
まずいぞ、こんな事ではハゲてしまう。
2 commentsLTOバックアップの対抗馬か?
副社長の会社では、去年の4月頃からNXCAMでの収録を開始した。
ファイルベースに移行したので、撮り素材など、中間のデータをどのようにバックアップしていくか。
その時点で、あまり危険度を感じないバックアップ方法は、cache-a社のLTOテープを利用したものだけだった。
この辺りは、人それぞれ考えもあるので一概には言えない。
ウチの会社でも、10月からNXCAMの撮影に移行する。
リソースの共有といった面や、どちらかの機械が壊れた時のために、同じ物を導入した。
NHKや民放でも導入が進んでいるそうなので、今後暫くはこのスタイルでやっていけると思う。
と、思っていたら、アムステルダムのIBCで、ソニーが中々アツいものを発表していた。
詳細はコチラのSONYのサイトをご覧頂ければと思う。
12枚の光学ディスクメディアを、アーカイブストレージとして使うというものだ。
書き込み速度や、メディア、ドライブそのものの価格は分からないが、後発であるだけに、LTOタイプのものより低価格で出してくるのではないだろうか。
ちょっと不安なのが、12枚中の1枚が読めなくなったら、全体が読めなくなるのじゃないだろうか。
しかし、バックアップで低価格の選択肢が増えるのは、とても良い事だと思う。
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